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山部赤人「田子の浦ゆ」,大和歌曲 「万葉集」より Man’yo-shu, Yamabenoakahito

大和歌曲 「万葉集」より 山部赤人, 「田子の浦ゆ」 Man'yo-shu, Yamabenoakahito

「田子の浦ゆ」 山部赤人

田子の浦ゆ うちいでて見れば 真白にそ
富士の高嶺に 雪はふりつつ

ああ 神代からつづく 富士の山

山の重なり 緑の重なり
幾重もぬけて
田子の浦のその先で
神の地に踏み入れし
白く輝く雪かぶり
天にそびえる富士の山

はるかなる 天地のはじまりより
この世を見守る命(みこと)
時を越え 国を越え

[解説] 作者山部赤人は、奈良時代600年代後半頃に生まれ、聖武天皇(東大寺を建立した天皇)ら3人の天皇に仕えた宮廷歌人で、自然の美しさを詠んだ叙景歌に優れていました。
「田子の浦を通り過ぎ、広い海に漕ぎ出て眺めてみると、真っ白に富士山の山頂に雪が降り積もっていることだ」
この歌では、作者が舟で田子の浦を漕ぎ出し、広々とした海の上で振り返ってみると、田子の浦の向こうに、雪冠の雄大な富士山がそびえているのが見えたのでしょう。
富士山が見える場所を「神の地」として表現し、富士山を遠くの遥拝所から望むようなイメージで歌詞をつくりました。この歌に先立つ長歌「天地の分かれし時ゆ 神さびて」を暗示するために、「はるかなる天地のはじまりより」という言葉を添え、また遠い未来までその神威が及ぶことを「時を超え 国を超え」と歌い上げています。富士山は古来より神宿る霊峰として信仰を集め、「木花開耶姫命」が富士山浅間神社に祀られています。

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